鍼灸師とは、はりときゅうを使用した東洋医学の療法の扱える人のことを指します。あまり馴染みのないという方もいるかもしれませんね。
鍼灸は老若男女問わず受けることができ、病気の改善や予防を行い回復を目指す療法。副作用が少ないため妊婦の方でも利用できるのが魅力です。
鍼灸師になるためには、「はり師」と「きゅう師」の2つの国家資格を取得することが必要になります。
今回は、2つの国家資格を取得するために必要な勉強についてや、取得までのかかる時間、国家試験などの合格率についてご紹介します。
目次
鍼灸師になるには2つの国家資格が必要!
鍼灸師は「はり師」と「きゅう師」の国家資格が必要になります。
鍼・灸は東洋医学のひとつであり、人間の持つ自然治癒力を活性化させていく治療法です。
最近は東洋医学と西洋医学の良さを生かした併用治療などを行うなどで鍼灸の需要も高まりつつあります。
「はり師」
特殊な専用の鍼を経穴(ツボ)に指して、その刺激で自然治癒作用を高めていく療法を行うのがはり師です。
針を刺すという治療に抵抗感を感じられる人もいますが辛い部分にピンポイントで刺激を与えることができるので、自然治癒力が高まるのが実感できます。
はりを使用したオーソドックスな治療の他に最近では極超短波・紫外線・赤外線などの器具を利用した近代的な治療も行います。
「きゅう師」
きゅう師とは経穴(ツボ)に薬草のもぐさをすえて燃やし、刺激によって治癒作用を高めていく治療を行います。
灸をすえると身体の芯から温まっていくのが分かります。
こちらもきゅう治療の他に極超短波・紫外線・赤外線などなどの器具を行う治療をします。
「はり師」と「きゅう師」両方の取得により「鍼灸師」として活躍することができます。
はり師ときゅう師の国家試験の合格率は?
はり師は、ここ5年の平均の合格率は68.64%。合格基準は60%とされています。
きゅう師は、ここ5年の平均の合格率は71.04%。合格基準は60%とされています。
どちらもですが、試験は筆記のみ、科目は東洋医学・はり・きゅう理論などが出題されます。
はり・きゅう理論以外の科目については、どちらも同じ内容であることから同時受験を行う場合どちらか一方が免除されます。
鍼灸師になるための国家資格はどうやって取れる?
鍼灸になるためには国家資格が必要になりますが、どのようにすれば資格を取得することが可能なのでしょうか?
国家資格を取得するための流れについて説明します。
- ①高校卒業後、専門学校や大学で3年以上学ぶことが必要となる
- ②はり師・きゅう師の試験を受験→合格する
- ③資格取得
鍼灸師という資格はありませんので、2つの国家資格の取得が必須です。
鍼灸師の国家資格を取るには最短でも3年かかる
鍼灸師になるためには、大学や専門学校で3年以上学ぶことが必要です。では、専門学校や大学の専門学科では何を学ぶことになるのでしょうか?
試験は筆記のみで合格が決まりますが、専門学校や大学では実技も含めた鍼灸の知識と技術を学ぶことになります。
医学的な基礎知識と東洋医学の専門知識などを学び、鍼灸の実技を行うことで技術を習得します。
一般的に治療を行う場合は西洋医学に基づいた治療が行われます。
西洋医学では改善できない部分を東洋医学(鍼灸)で改善していこうという「統合医療」が世界的に注目されており、行なわれるようになってきました。
病気になる前に病気を防ぐ「未病」という考えが「統合医学」の考え方に繋がるのです。
最近は医療分野の他にスポーツ・美容分野でも活躍できるようになってきたので、さまざまな知識も重要となっています。
まとめ:鍼灸師になるには資格の取得が必須!
鍼灸師になるために必要な資格などについてご紹介しました。
鍼灸師となるためには、はり師ときゅう師の国家資格を取得する必要があります。
受験資格も専門学校や大学で3年以上学ぶことが必要とされ、資格取得までの道程はとても長いように感じます。
鍼灸師は病気やケガだけではなく、患者の心も含めて診る必要があると言えるでしょう。様々な分野で注目を浴びる鍼灸師を目指してみてはいかがでしょうか?