こんにちは!鍼灸師の西川です
本日は東洋医学でよく耳にする、”気”についてご説明していきます!
気とは簡単に言ってしまうと、目には見えないけれれど感じるものでめちゃくちゃ感覚的なものなんです!人は絶えず”気”を感じて生きています。夏になればなんかウキウキするし、イライラしている人にはなんか近づきたくないですよね…。このような感じで目には見えず、だけど感じることのできるエネルギーが”気”なのです!
気はどこから発生するのか?
気は誕生に際して父母から与えられた先天の気と、生誕のあとに自然界から取り入れられる後天の気に分けられます。後者は飲食物等に含まれる栄養素「水穀の気」のことでもあり、この栄養素と呼吸によって自然界の「清気」を取り入れ、生まれた後に獲得する生命力を後天の元気(後天の本)と言います!
実際に気はどんな生理機能があるのか?
今回は3つ気の作用について説明していきます。
まず一つ目が、推動作用です。人体の成長や発育、各臓府、経絡(ツボの道)の生理活動や血の循行、津液の輸布は全て気によって推動されています。例えば、陽の気が陰の血や津液の中に宿って推し流すことで、血は循環し津液は必要な場所に行きと届き不必要な水分は排出されます。血や津液はそれ自体、単体では動くことができないため気が動力となって隅々まで流れることができるのです。
二つ目が、温煦作用です。温煦とは温めると言った意味です。気は温性が強く、体を温めて体温を一定の高さに保つ働きがあります。また、臓器や組織を温めてそれからの活動を促進します。発動性は冷えると低下し温まると向上するように、人間の体は冷えると正常に機能しません。その結果内臓や組織の活動も悪くなり、血の循環や津液の代謝(水分代謝)も滞ります。現代人に増えている低体温症などは気の不足と捉えることもできます。
三つ目が、防御作用です。気の防御作用とは呼んで字の如く防御することですが、防御にはバリアをするように体表を保護して邪気の侵入を食い止める事と邪気と戦って追い出すの2つの意味があります。例えば、前者は「衛気(えき)」という種類の気は、体表をバリアーのように保護し、気候や気圧の変化・細菌やウィルスなどの外界からの邪気(外邪)から人体全体を守り、外邪の侵入を防いでくれています。内臓でも同様に、胃には胃の防衛の気があることで、胃が邪気に侵されないように守られています。また後者は気が充実していれば、邪気がつけいる隙はないのですが、気が弱っているとその隙をついて邪気が侵します。気の防衛作用が弱まると、身体の抵抗力も同じように弱って病気にかかりやすくなるのです。ただ、少し気が弱っているだけなら気は邪気と戦って邪気を追い出してくれます。
気の生理作用は他にもいくつかありますが、まずこの3つの気の生理作用が体を守ってくれている事を意識して生活してみてはいかがでしょうか?